スプリンターズSの思い出を。1回目をやったとき(バンブーメモリーの日本レコード)は、「何のために作ったんや?」と思ったが、今となっては好きなGIの1つ。それもある1頭の馬によってだ。サクラバクシンオー? うーん、ウソではないですね。それは「ソビエトプログラム」。BCスプリントを逃げて2着。しかも、(ダートの)テン3ハロン・32.1というハイラップを刻んだという馬が来てからだ。 この年のスプリンターズSは、それはそれはスゴイ馬が揃っていた。それまでは「マイルCSの行き掛けの駄賃」と言われたスプリンターズSだったが、この年は、エイシンワシントン・キョウエイキーマン・ホクトフィーバス・ヒシクレバーという強烈な先行力を持つ馬が集まり、サクラバクシンオーが「好位で競馬する」という有様だったのだ。
そんな所にやってきたのが、「ダートでテン3F・32.1」の看板を持ったソビエトプログラムだ。このときの中舘(@ホクトフィーバス)のコメントは今でも思い出せる。「勝つ、負けるはともかく、絶対にハナは譲らん!」。 ゲートが開いた瞬間からスゴイレースだった・・。サクラバクシンオーもソビエトプログラムも付いていくことのできない物凄い「殺人ペース」。1F目の11.2はともかく、そのあとが10.1→10.7。昨年とペースはほぼ同じだが、馬場状況が違う(当時は有馬記念の前の週)。 というか、「エイシンワシントンがハナに立てなかった馬生唯一のレース」と言うと、この殺人ペースがわかって頂けるのではないでしょうか?
が、事件は4コーナー、サクラバクシンオーがくたばった先行馬を飲み込んだ直後に起こった・・・。先にコーナーを曲がるバクシンオーを追いかけるカタチになったソビエトプログラム(もちろん、私の本命だ)、なんとコーナーを曲がれずに、観客席に向かって走ってる! 競馬人生で、画面を見て絶句したのは、後にも先にも、このときとモンジューが馬群に沈んだ(この話はJCのときでも)ときだけですわ。 直線、大外から豪快に飛んで来るも、バクシンオーのレコード駆けの前には、何の意味もないパフォーマンス。 隣では(一緒に見ていた)ステージが声を出して笑ってる・・・。 ソビエトプログラムが直線コースしか走ったことがないのを知ったのは、翌日の新聞でだった・・・・・・。