土曜日の中山10R・スピカS。この日、渾身のレースだった・・・。1番人気はヨシトミのセイコーアカデミー。ヨシトミのせいで出世が遅れた、よくある馬だ。2番人気はセイコーアカデミーに2走前に破れたカンファーベスト。人気も着順も負けてるのに、コッチの方がハンデ頭。普通に考えれば、この人気は順当な所だろう。セイコーにヨシトミが乗ってなければ、だ!
馬柱を見た瞬間、すぐにわかった。「ヨシトミはいねぇ。江田君(カンファーベスト)で鉄板だ」と。が、やっぱ、江田君の方も人気がある。「相手わからんし、パスかな?」。昼休みに一度、結論が出た。
レース開始10分前。ステージが囁く。「中山買ったん? 今、オレは買ってきたけど」 「いや、江田君が鉄板で、ヨシトミは3着やろ? でも、他に行っても、そんなにつかないんだよな」 が、ステージは言う「いや、鈴来君だと70倍はつくで。ヨシトミ、人気になってるみたいや」
「マ、マジか?」。もち、窓口にダッシュ。
ここ3年ぐらい、二人とも当たったってレースがないないのが不安やが、どう見たって、これ以外の目が考えれない。しかも、そのオッズは70倍以上や。これが買わずにいられるかい!
レースが始まる。最後の直線。悠々と抜け出すカンファーベスト。ヨシトミは? ン、予想通り、後方でチンタラしてる。が、鈴来君はさらにその後や!
あと、200。ヨシトミと鈴来君が並んで上がってくる。「OK!」二人が叫ぶ。
が、馬の力が違ったようだ。同じ位置から同じように追ってはとても適わない。ヨシトミ2着。鈴来君3着同着・・・・。
問題はここから! 「コノヤロー」・「クソ、ヨシトミ。3着に飛んどけ!」・「キッチリ2着とは相変わらず天才やな!」・「ヨシトミ以外のジョッキーなら楽勝やけどな」と、慰め合う中、そそくさを馬券を換金に行く二人・・・。
「おい、オメエ、ヨシトミの馬券持ってるんか!」 お互いから出るセリフ。「いやまぁ、普通に考えれば、いかにヨシトミでもカンファー以外には負けないわな・・」 が、二人とも持っていた金額は鈴来君との組み合わせの半分。しかも、配当は(馬単で)570円・・・・。
やっぱ、スゴイわ、ヨシトミ・・・。あの馬を飛ばすこと自体が信じられないし、キッチリ2着に入れる所がさすがだわ・・。できれば3着だともっとよかったんやけど・・・。